田舎暮らしは環境に良いのか?持続的な暮らしとは?

0、はじめに

今、地方移住で時給自足で豊かな暮らしをといった生活を紹介するメディアが増えていますね。

この記事では、本当に地球の未来、人間が地球で持続的に暮らすにはどのような暮らし方が良いのかを私の友達で香港大学の博士課程に入学するYさんと話し合ったものを文字で改めてまとめたものです。

香港大学というとあまり馴染みない方もいると思いますが、アジアの大学ランキングでは4位と高順位。東大が8位なので、マクロなランキングはあまりあてになりませんが、僕が出会った人の中でもかなり頭が言い方だなと思っています。

そんなとても優秀なYさんの出身は中国の方でどこか中国的な考え方も垣間見え、非常に面白い議論だったので、よかったら見ていってください。

内容はこんな感じになっています。

1、田舎暮らしは環境に良いとは限らない?あるデータから見る衝撃の事実

2、田舎暮らしの盲点、移動距離

3、数字で都会と田舎を比較してみる

4、Yさんが思う理想的な世界、アニメPSYCHO-PASS

5、持続的で豊かな世界を考える

1、田舎暮らしは環境に良いとは限らない?あるデータから見る衝撃の事実

まず、議論を現代における田舎ぐらしは環境に良いのかと議論しました。その人ははっきりと言いました。

「田舎ぐらしは効率が悪く、かえって環境的ではない。」と

びっくりですよね。そんな、田舎での生活のイメージは普段から野菜やお米を作って、雰囲気的には環境に寄り添った暮らしをしていそうなのに、それが環境にとってよくないと言い切るってどういうことと思う方もいらっしゃると思うので、とあるデータと見ていきたいと思います。

2、田舎暮らしの盲点、移動距離

こちらのデータを参考に見てください。

引用:環境省(2006)https://www.env.go.jp/council/06earth/y060-35/mat02_4-02.pdf

平成12年国勢調査、国立環境研究所「市町村における運輸部門温室効果ガス排出量推計手法の開発および要因分析」から作成された環境省の2006年のデータです。

これは日本の都市ごとの一人当たりの運輸旅客部門の二酸化炭素排出量を見た表です。

その他、各都道府県のエネルギー効率や二酸化炭素排出量が分かるものデータがたくさんありますので、貴重です。

もっと見たい方はこちらから

これを見るとわかるように、運輸旅客部門の二酸化炭素の排出量は地方にいくほど高いことがわかりますね。なぜ、このような現象が起きるのでしょうか?

その大きな原因の1つは移動手段と移動距離にあります。田舎ぐらしのレビューをしたブログ記事ではよく、「田舎暮らしでは燃料代がかさみそれほど安く生活できません。」とか「車が運転できなければそれは死を意味します。」と言った表現をよく耳にします。

そうなんです。田舎暮らしの人は都会の人と比べ、車で移動する距離が半端ないのです。だからYさんは言います。田舎での暮らしは効率が悪いと。確かにそう言われると満員電車のなんと効率のいいことかとか思ったりしますよね。JR東日本のE235電車は11両編成で、編成定員1724名だそうです。確かに電車一台で1724人を運ぶのと、1724台の車を走らせるのでは、明らかに電車一台は効率が良さそうですよね。

3、数字で都会と田舎を比較してみる

とある記事で電車の燃費は2.3km/ℓという記事を見ました。詳しくはこちら。

このデータで都会と田舎のエネルギー使用量を検討してみたいと思います。

東京のような都会で1000名を100km移動させた時の一人あたりの必要な燃料の量を考えてみます。

1000名が電車に乗れば、100km÷2.3 km/ℓ=4.35ℓが全体で必要な燃料の量になります。

これを一人換算に直すには4.35L÷1000人=0.0435L/人となります。

一方、電車のない田舎、1000人の人それぞれが車で10km移動したとしましょう。車はめちゃ燃費の良いと呼ばれる最新プリウスで。最新プリウスの燃費は40.8km/Lだそうです。最近の車は本当に燃費良くてびっくりしますね。これを踏まえた上で計算すると。

100km÷40.8 km/L=2.45Lこれが一人あたりの燃料消費量ですね。

このように考えると差は歴然ですね。田舎の人皆が最新プリウスを導入してもそのエネルギー使用量は都会の人と比べ56倍になるわけです。もちろん、これはすごい単純かつ極端な話をしたわけですが、そのた諸々の状況を踏まえて算出されたデータが先ほど出したデータになるわけです。

このように考えると集まって住むというのは、パッと見、持続的ではないように見えますが、意外とバラバラに分散して住む方が持続的ではない可能性があるということを理解していただくとみる視点もまた変わるかなと思います。

4、Yさんが思う理想的な世界、アニメPSYCHO-PASS

では、Yさんにとって何が一番理想的に近いかと聞いたところアニメのPSYCHO-PASSの世界が一番、近いというのです。どういうことなのでしょうか?

僕もこのアニメ自体は見たことがないのですが、このアニメの世界では人はAIが実装された社会にすみ、人類は都会は効率よく住んでいる世界だそうです。つまり、Yさんが言いたいのは人類は都会は効率よく住み、農村や田舎ではAIが搭載されたような農機械によって効率良く食料が運ばれてくる。そして残りは自然に還す。そんな世界が効率重視の持続的な世界なのではないかと言っています。どこか中国で生きてきたからこそでてくるような考えなような気もしないでもありません。

5、持続的で豊かな世界を考える

以上、Yさんの理論を見てきましたが、ここまできて何ですが、私自身はこのような考えには少し懐疑的です。また、先程示したデータや計算式にも限界を感じています。確かに都会は効率的に生きられるかもしれません。ただ、エネルギー効率だけをみていてはそこの生活者の気分が入っていません。これはエネルギーだけの話だけではなりません。例えば、今東京では投資用のタワーマンションが乱立しており、上層階は空っぽなんて状態なのに、地上にはホームレスの方々も以前として多くいるという状態になってますよね。経済的な効率を考えるあまり、そこに人間がいなくなってしまったことの典型かななんて思います。

効率を求める事はもちろん重要だと思います。しかし、一方で、効率だけを見ていると持続的なだけで豊かな社会とは言えないと思います。持続的なだけでなく、それは前提として同時に豊かな世界を考える必要があるのかなと思います。そのためには今後、我々の豊かの定義は何なのか?と考える必要がありそうです。

また、田舎のエネルギー効率や時給率も考えなければいけません。例えば、エネルギー効率が都会より悪くても、そのエネルギーが再生可能エネルギーによって賄えっていれば、そこまで問題はないわけです。もちろん、同時に田舎でどのように効率豊かに生きるかを考えることも必要かなと思うわけですが。そんな田舎2.0的なコミュニティはどんなものなのかも同時に考えていかなければいけないと思いました。

6、最後に

以上、都会と田舎のエネルギー消費量の違いから田舎の問題点を見ていき、そこから新たな世界観とは何かを少し考えいきました。全然、まとまってはいないので、コメントを歓迎しますので、思うところありましたら、気兼ねなくコメント欄にどうぞ。

月並みですが、都市を考える上では、その社会システムを考えないといけません。それを考える機会として最近話題の本『人新世の「資本論」』を要約した記事を載せています。詳しく見たい方はこちらからどうぞ

ご覧いただきありがとうございました。

About the author

衣食住、旅人本に興味がある。アウトプットメインですが読んでいただければありがたいです。

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