セイナヨキ(Seinäjoki)観光スポットーアアルトの建築群と+α

この記事ではフィンランドの小都市であるセイナヨキの観光スポットについて紹介したいと思います。セイナヨキの略歴とメインの観光スポットであるアアルトの建築群を主に紹介し、更に+アルファでオススメできるところを紹介したいと思います。

0.セイナヨキ(Seinäjoki)の略歴

セイナヨキ市は、南オストロボスニア州の行政の中心地として、鉄道の拠点を中心に建設されました。1920年代にはアルヴァ・アアルトcivil guards houseがを設計し、1950年代には街の主要な教会の設計を依頼されました。1958年、セイナヨキ市庁舎の設計のために建築コンペが開催されました。この市庁舎には、行政施設のほか、図書館や産科・小児科の診療所などが併設されていたそうです。計画課題にはマスタープランも含まれており、将来的には敷地内に庁舎や劇場を設置できるようになっていました。コンペは接戦となったようですが、決選投票ではアアルトが勝者となりいまの市庁舎を中心としたアアルトの建築が出来上がったようです。

では次にそれぞれの建築をここに見ていきましょう

1. ラケウデンリスティ教会(1957-1960)

1940年代、セイナヨキ市は、当時この地域で検討されていた新しい教区をこの地に設置することを検討していました。1951年に開催されたセイナヨキ教会の建築コンペでは、大きなアイコニックな教会を作ることが目的とされたようです。

教会外観

1951年にセイナヨキ教会の建築コンペが開催された際、コンペの目的は「大聖堂の地位を得ることが出来るような、壮大な教会を作ること」でした。検討案は3つの案に分配されました。そのうちの1つはアルヴァ・アアルトと彼のアシスタントによるものだった。しかし、実行に移す際、審査員は他の案と比較して、アールトの案「Lakeuksien risti(平原の十字架)」を、コンペの目的に最も合致しているとして推薦したようです。アアルトの提案は、形式的な理由、つまりコンペティションの領域を超えているという理由でネガティブのような評価もあったようですがそれでなおこの案が推薦されました。この提案は、「主要な教会の特徴を、力強く壮大な方法で表現する」というコンペプログラムの要件を満たしていました。

教会内観
照明もアアルトのデザイン

2.教区センター(1965-1966)

教区センターに造られた教会の庭は、野外での催しを開催できるように設計したものです。教区ホールの音響のクラッディングにはヨーロッパブナ、ベンチにはアカマツが使用されています。ラケウデンリスティ教会の内装にも、 同じ木が使用されています。 教会の高さ65mの時計塔は、荘厳なセイナヨキのランドマークです。塔にはエレベーターで上がることができます。ただし、普段は空いていないので電話が必要なようです。

広場と外観

3. 市庁舎(1961-1962)

市庁舎の特徴はまず外装です。外装の濃紺のセラミック製の棒状タイルは、 光の移り変わりでさまざまに輝きます。

市役所外観

 アールトは、素材の選択についてこう述べているようです。外装はセイナヨキ市庁舎のものであって、私のものであってはならない」、市議会の塔のように高い議場では、議員席が放射線状に配置されています。

議会内観

また、外装にも同じ構図が反映されています。市庁舎の西棟は当初住居として使用されていましたが、 1970年代から1980年代にかけてオフィスに変わったようです。

4. 市立図書館(1964-1965) SEINÄJOKI LIBRARY

図書館のデザインは、1960年の計画開始後に変更され、アアルトのコンペ案の長方形から、最終的に長方形と扇形のパーツを組み合わせたものになるまで、いくつかのデザインスタディを経ています。また、さまざまな照明方法も検討されました。

ブックピット

掘り下げられた「ブックピット」は、図書館のメインホールの大きな特徴です。

図書館の建物は、カンザリストリの南端に位置し、市庁舎に面しています。図書館はカンサリストリの南端に位置し、市庁舎と向き合っています。低くて長方形の白い輪郭は、青みがかった棒状のタイルを持つ彫刻的な市庁舎と対をなしていて美しいです。

図書館と市役所と教会の塔

図書館のシンプルな外観は、正面の帯状の窓を覆う垂直ルーバーによって強調されており、正面玄関にも続いています。図書館の南側、公園に面した面は、柔らかな曲線を描く扇形になっています。ファサード上部の窓の前に設置された幅広の水平ルーバーは、日差しが図書館のメインホールに入るのを防いでいます。大ホールの屋根は、カンサリストリの反対側にある市庁舎のテラスガーデンから見えます。図書館の正面玄関は、細長い形状で両端が丸いメインの貸し出しデスクに向かって開いています。

そこから大人用の貸し出し部門、つまりメインライブラリーホールとリファレンスライブラリー(現在の閲覧室)にアクセスします。ロビーの一番近くには新聞閲覧室があり、その隣には事務室のある廊下があります。入り口には他にも世界最大のアールトのグラスコレクションが展示してあります。

ガラスコレクション

その反対側には反対側には子供用の図書館の部屋があり、カンサライストリと公園の両方に面しています。中央の貸し出しデスクからは、扇形のライブラリーホールとブックピットが一望でき、空間の監視がしやすくなっています。ホールの外壁には本棚が設置されています。本棚はホールの外壁に沿って配置され、独立した本棚は放射状に配置されています。

2015年5月にリニューアルオープンしました。隣接する新旧の図書館は地階で繋がっています。面白い、リニューアルの仕方ですよね。

5.合同庁舎(1966-1968)

合同庁舎外観

アールトは、新しい行政センターを白塗りの3階建て合同庁舎で補完、完結させました。アールトにとってここは、教会を起点として市民広場を通る軸の最終地点だと考えられていたようです。アールトの表現を借りれば「穏やかな背景の建物」を設計したいと考えていたようです。建物の中で建築学的に最も重要な空間は元裁判所で、現在は会議室として使用されています。合同庁舎には、 税務署や警察などがありました。

6.市立劇場(1986-1987)

外観1
外観2

アールトは1968年にこの建築の図面を制作しましたが、建物自体はエリッサ・アールトの指揮により1987年にようやく完成しました。建物の外壁は、アイボリーのセラミック製棒状タイルでできています。広々としたロビーのインテリアは、アルテックのデザイン製品によるものです。ロビーには、アールトのユニークな曲木のレリーフ(全6点) が展示されています。アルヴァ劇場の代表劇は「ダイダロス」といい、美術家のユハナ·ブロムステッドがデザインしたそうです。

ここまでがアアルトが設計した建築群の紹介でした。では次にその建築群と調和した1つの建築を紹介していきます。

7.アピラ図書館(2012) JKMMアーキテクツ

メイン図書館であるアピラ図書館はアルヴァ·アールトが設計した文化および行政センターの隣に位置します。2012年に開館したこの図書館の主任設計者はアスモ·ヤークシです。上から見るとクローバーのように見えるこの建物はフィンランドの建築作品賞にノミネートされ、賞を受賞しています。あるときに市民のリビングような空間になり、 あるときにはミーティングルームとなっており、図書館の多面的な機能をあたらためて考えさせられました。外装には側面には銅が使われています。これも経年変化がどのようになるのかが楽しみなところの1つでした。

以上、アアルトの建築群でした。

ここから、セイナヨキの他の場所も紹介したいと思います。

8.広場

今までに紹介したところが市の役のスペースだとしたら、ここが市の民のスペースという感じです。レストランなどもこの近辺に集まっていますので、お昼どきによるのはいいかもしれません。

広場

9.Kunsthalle Seinäjoki (Taito shop)

外観

現代アートが展示してある文化施設です。1Fにはレストランと市民が使える木や毛糸のワークショップスペースがあります。

私が訪れた時は光の現代アートが展示されていました。

10. Kunsthalle Seinäjoki前の橋 (Lakeuden Aamukoi)

9で紹介した文化施設の前にある橋です。結構、構造がダイナミックなので、目を止めるくらいはしてもいいかもしれません。

11.キュレン川と公園 (Paeque en la Ribera del rio)

白樺の森と美しい川がセットになった公園です。夏場はテイクアウトでここでご飯なんかもいいかもしれません。市のガイドによると川のクルーズなんかもあるそうです。

12.最後に

以上、セイナヨキ(Seinäjoki)観光スポット、アアルトの建築群を主として紹介しました、

ご参考になれば嬉しいです。ではでは。

About the author

衣食住、旅人本に興味がある。アウトプットメインですが読んでいただければありがたいです。

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