フィンランド、バーサ(Vaasa)の観光スポットー皆が知らないアアルトの設計の村と工場ー

この記事ではフィンランドの小都市であるバーサの観光スポットについて紹介したいと思います。バーサの略歴を紹介した後にアアルト設計の知られざる工場建築と村そしてオススメを場所を紹介して行きたいと思います。

バーサを訪問しようと考えてる人にはピッタリの記事になっていると思いますので、興味ある方はよければご覧ください。

では、早速バーサ(Vaasa)の略歴から見ていきましょう。

目次は以下のようになっています。

1、バーサ(Vaasa)の略歴

バーサはフィンランドの西海岸にある都市です。人口は7万人弱、オストロボスニアの州都です。ヴァーサはフィンランドの主要な大学・カレッジ都市としても有名です。

国際的な大学が多くあることから、様々な国籍やバックグラウンドを持つ人が集まるのもバーサの特徴です。

バーサは人口の69.8%がフィンランド語を母語とし、24.8%がスウェーデン語を母語としており、その両方がクラス二重言語都市です。周辺のオストロボスニア地方の自治体(コルショルムやマラックスなど)ではスウェーデン語を話す人が多数を占めているため、スウェーデン語の地位が高く、スウェーデン系フィンランド人にとって最も重要な文化の中心地となっています。

つまり、フィンランドの西中央部にあり、大学街であり、二重国籍都市であると覚えてもらえれば良いかなと思います。

では、そのような都市には一体どのような観光スポットがあるのでしょうか?

建築学生の視点からお届けしているので、建築多めです笑

それを踏まえてみていただけると幸いです。

2、バーサ(Vaasa)の観光スポット

2−1、アアルト設計の工場??

まず、1つ目に紹介したいのが、アアルト設計の工場です。数々の芸術的な家や図書館、美術館などを建てているイメージですが、工場も建てていると聞いて、驚きました。

歴史は第2世界大戦に遡ります。

戦前は松林だった、この土地にも戦争の影響がおしかかります。

近隣の工場は攻撃の標的とされ、フィンランドでは新たな都市に、新たな工場を作る必要がありました。その新たな都市として抜擢されたのがバーサでした。

そして、この工場を含む、近隣の都市計画を任されたのが他でもない、アルヴァ・アアルトだったということのようです。

この小さな都市の計画を行う上でアアルトが意識したポイントは以下の2点であったそうです。

1、自然との調和

2、小さな住居区画

様々な都市計画や建築を設計しているアアルトですが、その設計思想はどこであろうと普遍的なもののようです。もちろん、その自然との調和を意識する上で大切になる、外部環境の違いによって引き起こされる設計手法の違いはあると思いますが。

では、実際にどのような建築なのかは以下の写真をご覧ください。

外壁のテクスチャー

私がこの建築で興味深いと思った点は工場であるのにもかかわらず、建築が左右非対称な形になっているという点です。アアルトの多くの建築は左右非対称な形状をしているのが特徴ですが、それは美術館や住居など、ゆとりのあるスペースと作る際に有効になる設計手法だと思っていました。しかし、工場という最も効率が求められる建物においてもその設計手法が応用できているというところに驚きました。

実際の使い勝手はどうなのかは定かではありませんが、左右非対称な形の工場というだけでも建築好きの人は訪れる価値はバーサに来たならあると思います。

2−2、アアルト設計の駐輪場!?

その工場の近くにあるのがアアルトが設計した駐輪場です。当時の工場で働いている人の多くの交通手段は自転車でした。その通勤を少しでも彩れるようにとアアルトは考えたのかなと思います。

石でできてある壁とそれとは対照的で軽やかな木造の屋根。自然素材を上手に融合さてる技術を駐輪場の設計においてもみてれるのはアアルトの素晴らしいところかなと思いました。

2−3、アアルト設計の村!??

次に紹介するのは、その工場労働者が住んでいた、住宅群です。1940年代にできたこの村は今でも、バーサの人にはアアルト村と慕われているそうですよ。現在はアアルト村と慕われているこの村、集合住宅ですが、当時は悲しい呼び方をされていました。

当時、この村はNiger (黒人を指すの差別用語) village、と呼ばれていました。理由は2つほどあるそうです。

むらにあるコミュニティスペース兼サウナ

1つはここに住む人たちは工場労働者、いわゆるブルーカラーと呼ばれる人たちでした。その人たちを見下すために、当時の工場で働くエンジニアなどの上流階級とされていた人たちにこのような呼び方をされていたそうです。

2つ目は意外にもアアルトのデザインが関係してきます。今では住居の外壁は白く塗られていますが、アアルトがデザインした当時の色は黒色でした。アアルトはこのような結果を招く事を予想していなかったと思いますが、結果的なその黒く塗られた外壁が黒人の肌を連想させてしまったのでしょう。

つまり、工場労働者たちが住む、黒い外壁の集合住宅がある村=Niger villageとなってしまった訳ですね。

今でこそ、フィンランドはその人権の守る姿勢やジェンダーギャップの低さなどが世界各国に比べ、称賛されるレベルに達している国ですが、過去にはこのような出来事もあったですね。

ガイドの方はこの話の後に続けて、実は今でも、別の種類差別は残っていると続けます。それはフィンランド語を喋るフィンランド人がスウェーデン語を喋るフィンランド人にとる態度だそうです。

先にも述べたようにバーサはフィンランド語、スウェーデン語両方が公用語として認められている二重言語都市です。しかし、フィンランド語を喋るフィンランド人の中にはスウェーデン語を喋る者は真のフィンランド人ではないと考える人もいるそうです。ガイドの方はスウェーデン語を喋るフィンランド人で、この差別的な態度に接される事が時おりあるそうです。

しかし、ガイドの方はフィンランド人である事に誇りを持っているし、フィンランドを故郷と思っているそうです。そして同時にスウェーデン語を喋ることにも誇りを持っているそうです。現在でも、このような問題がフィンランドに残っていることに驚きました。島国の日本にはあまりない感覚だからこそ大変勉強になりました。

2−4、Stundars Agricultural Handicraft Museum 屋外博物館

最後に紹介するのが、Stundars Agricultural Handicraft Museumです。Stundarsは、大規模な野外博物館であり、1870-1920 の建物を主に保存している野外博物館です。ここには大規模なクレーターがあり、長年そのクレーターは農地として活用されていたそうですが、農地だけではなく、その一部を野外博物館をしようとした当時の高校の先生が始めたことがこの野外博物館のきっかけだったそうです。

風車とかも当時のまま、保存しています

当時のバーサ、フィンランドの人々の方の暮らしを理解したいという方には必見の場所だと思います。

更にこの博物館の面白いところはその野外博物館として保存されている建物の一部には実際に人が住んでいるということです。事前に博物館に連絡を取り、そこに住む人たちの都合も合えば、実際に話を聞くことも可能です。

ジャーナリストのお家

実際にお話を聞いたお二人はそれぞれが熱い思いを持っていました。1人のジャーナリストの女性は幼少期にその家に住んでいたそうで、記憶はなかったそうです。しかし、その家が取り壊されるかもしれないと知ると、その家をこの屋外博物館に移築し、住んでいるんだそうです。

質素なしかし、熱い思いや歴史が垣間見える素敵な博物館でした。

3、最後に

以上、バーサ近郊にある観光スポットを紹介してきました。建築学生の視点からだったので、かなり偏った紹介の仕方だったかなと思いますが、バーサの中心部には美術館などの一般的な観光スポットもたくさんありますので、そちらも是非よって、素敵なバーサ観光にしてください。

ではでは。

About the author

衣食住、旅人本に興味がある。アウトプットメインですが読んでいただければありがたいです。

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