QGISでできること、分析事例を9個紹介!オススメの本も!

この記事ではQGISを使ってみたいけど、いまいちどんなことができるのかよくわからないという人に向けて記事を書いています。

これからQGISに挑戦しようと思っている方、QGISに興味のある人には参考になる記事になっているかなと思いますので、よろしければご覧ください。

因みに今回の記事は以下の文献を参考にしたものになります。

この記事に書いていることはあくまで、できることが書いているだけで、どのようにすればできるか、は記載しておりません。

そこまで、興味のある人はご購入を検討していただけると幸いです。

では、早速ですが、初めていきます。

目次はこんな感じです。

1、地域活性化やビジネスに役に立つ?

まず、QGISで可能なことの1つ、それは地図上に、様々なデータを反映させ、それを可視化できるようにすることです。

人口、お店の位置、数、バスのルート、明治時代の土地活用方法まで、様々なデータを地図に落とし込めます。

これをうまく使うことによって、地域の課題や魅力を発見できる可能性があります。

では、具体的に地域の課題や魅力を発見する方法を見ていきましょう。

事例1、地域社会情報の可視化ができる


地域研究のための空間データ分析入門:QGISとPostGISを用いてから引用

先ほど、事例に出しました、人口から見ていきましょう!

少子化、高齢化、東京一極集中など日本は人口問題において、大きな問題を抱える国です。

それぞれの地域によって抱える人口の問題、そして深刻さは違います。

そんな違いを地図上で表せることのできるのが、QGISのできることの1つです。

図のように色別によって地域ごとの人口を区別することができます。(図は白黒ですが笑)

これは社会課題や地域政策を考える上でとても役に立ちそうですね。

事例2「バス停留所」と「バスルート」データの可視化

地域研究のための空間データ分析入門:QGISとPostGISを用いてから引用

続いて、先ほど紹介した人口を表現した地図にバスの路線図を落とし込んだマップがこちらになります。

このように、複数のデータを一緒に可視化できるのが、QGISの大きな特徴です。

例えば、この2つデータを比較すれば、ここは人口密度が高い地域だから、バス停の間隔は狭い方が有効的かなみたいなアイディアを広げることができます。

このような交通情報をしっかりと地図上に落とし込むことによって、様々な地域の社会問題の解決の糸口を考えることができます。

事例3、 様々な年代の地図を重ねて、地域の歴史を確認できる

地域の活性化などを考える上において、その土地の歴史を深く理解することは非常に大事な作業ですよね。そんな時にもQGISは役に立ちます。

国土地理院という国の機関は明治時代などのかなり昔の地図を保存しています。

そして、その地図をQGIS上に落とし込めば、その土地が昔はどのように使われ、今はどのように使われているのか1目で確認することができます。

地域研究のための空間データ分析入門:QGISとPostGISを用いてから引用

例えば、上の右図では、現在の市の範囲(左図)を昔の地図に重ね合わせています。

これにより、市の西側の部分の沿岸はかなり開発が進んだんだなとか逆に南の海岸線はあまり変わっていないんだなみたいな歴史を見ることができます。

これはかなりマクロなスケールでの分析ですが、道や暗渠、ある家や住区などを分析したり、ミクロなスケールの分析もできます。

事例4、ある地域における商業の分析が可能になる

地域活性化には商業や経済の活性化も不可欠ですが、そのような分析もこのQGISによって行うことができます。

例えば、こちらの図は事例1に示した人口の図にコンビニエンスストアの分布状況を重ねた図になっています。

地域研究のための空間データ分析入門:QGISとPostGISを用いてから引用

このような地図を作ることによって、この地域は人口の割りにコンビニエンスストアが多いな、少ないなみたいなことがデータとして表現でき、ビジネス戦略を考える上で非常に役に立ちます。

事例5、災害マップを更に自分でアップデート可能!?

ビジネスだけでなく、災害予測の分析など公共的なものにもQGISは応用可能です。

例えば、下の図は避難所がどれくらいの間隔で点在しているのか示したデータに人口データと浸水よそう災害マップを重ね合わせた図になっています。

地域研究のための空間データ分析入門:QGISとPostGISを用いてから引用

これを行うことによって、そこに住む人々は一体どこの避難所に逃げればいいのか、その避難所のどれくらいの浸水の可能性があるのか、みたいな分析を行うことができます。

これは災害政策を考える時に非常に役に立ちそうですよね。

以上、様々な地域の問題をQGISによって分析ができることを見てきました。

では、次に人の社会の分析だけでなく、もっといろんなことに応用可能なところを見ていきましょう。

2、環境問題を考える上でも役に立つ

地図上に表現できるデータは人口やコンビニの位置など、人工的なものだけではありません。

自然や生き物のデータも地図上に表現できるので、これにより環境問題の分析なんかも行うことができます。

事例6、ある動物の行動範囲がわかる

例えば、生き物のデータを表現した地図を紹介します。

これはニホンザルの行動範囲を表現した図で、それぞれの点がニホンザルの位置データになっています。

QGIS入門 第2版から引用

これを分析すれば、どれくらいのある個体、あるいは群れの行動範囲が理解できますし、植生を表現したちずと重ねあわせれば、どのような植生の場所を好むのかみたいなことも分析可能になります。

これは例えばですが、最近、獣害が日本中で問題になっていますが、このようなデータを活用すれば、その問題解決の糸口が掴めそうですよね。

3、国際協力にも役に立つ?

QGISを用いて表現できる地図の範囲は何も日本や特定の地域など狭い範囲にとどまりません。

データがあれば、地球上のあらゆる場所の分析が可能になります。

また、国といった大きなスケールでの分析も可能ですので、そんな分析を行った国際協力の事例をいくつか紹介したいと思います。

事例7、バングラデシュにおける管区毎の基本統計とデータの視覚化

最初は、バングラディッシュでの事例を紹介したいと思います。

下の図は、それぞれ左がバングラディッシュの道路の総延長、そして右が耕作面積地の割合になっているそうです。

QGIS入門 第2版から引用

このように、1つの小さな地域というスケールではなく、国という大きな単位での分析も可能です。

このような分析が行えると、農業の割合に対して、道路の総延長が少ないから、ここにも道路を作った方がいいだろうか?見たいな検討が定量的に行えますね。

事例8、マタガスカルにおける年齢別HⅣ陽性反応者数の割合

次にマダガスカルの事例です。

この事例はQGISを使えば、円グラフなどの情報をある地域別に取りまとめることができるという良い事例になっています。

QGIS入門 第2版から引用

背景として、マダガスカルはHIV感染がサブサハラアフリカの中では比絞的低いのですが、大都市部に集中するなど、地域差があったそうです。

感染状況の確認にも、限られた保健人材や財源を有効活用するためにも、 GIS を活用したモニタリング能力強化が取り組むべき重要な課題と認識されていたそうです。

確かにこのような地図が作成することができれば、地域別にどのにHIV感染が広まっているのかが、一眼でわかりそこに集中的な対策を打つことが可能になりますよね。

このようにグラフを地図上に表示するなんてこともQGISでは可能になります。

事例9、べナン国ゾーン病院建設計画でのQGISの活用

最後の事例として、ベナンでの病院建設計画の事例になります。

背景としてベナンは国土面積の割に帝王切開や複雑な外科手術などの大きな手術ができる病院が少なく、そのため病院に搬送中に患者が死亡してしまうという事例も少なくなかったそうです。

そんな中での病院建設計画だったために、より多くの今まで病院が遠いと感じていた人に病院をより身近に感じてもらえる場所に建設しなければなかなかったようです。

どの場所に病院を建設すれば、一番効率的か、それを考えるのに役に立ったのがQGISです。

QGIS入門 第2版から引用

この地図は道路、ベナンの保健行政区分、道路、保健施設のデータを重ね合わせ、さらに病院建設予定地から同心円のバッファを描き、住民の病院へのアクセスを視覚化したものだそうです。

このような地図を作成することによって、ある場所にすむ住民がどれくらいの距離を移動した末に病院にたどりつけるかがわかるので、これを分析することで、どのあたりに病院を建設すればより良いアクセスを持つ病院になるかがわかります。

最後に

以上、様々なQGISを活用した事例を見てきました。

簡単に言ってしまえば、様々なデータを地図上に視覚化できる。これがQGISの1つ大きな魅力と言えると思います。

そして、その可能性は無限大です。持っているデータによって、本当にいろいろな活用方法ができますし、それによって分析できる課題も様々です。

冒頭でも述べましたが、今回参照させて頂いた事例は以下の2つから引用を行なっています。

これらの本にはでは実際にこのような地図を作る時の手順が丁寧に記述されています。

QGISのダウンロード方法から丁寧に説明されていますので、初心者の方でも取っ掛かりやすい本になっていると思います。ご興味を持たれた方は是非、購入を検討してみてください。

最後まで、ご覧いただきありがとうございました。ではでは。

About the author

衣食住、旅人本に興味がある。アウトプットメインですが読んでいただければありがたいです。

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