目次
- はじめに
- タリンという都市の特徴
- 1: エストニア海洋博物館 太っちょマルガリータ
- 2: St Olaf’s church
- 3: 職人たちの中庭
- 4: St. Peter and St. Paul’s Cathedral
- 5: ラエコヤ広場
- 6: APARTMENT BUILDING WITH SHOPS
- 7: VABADUSE [FREEDOM] SQUARE, ALVER TRUMMAL ARHITEKTID
- 8: アレクサンドル・ネフスキー大聖堂
- 9: The Parliament Of Estonia
- 10: 聖ニコラス教会
- 11: DE LA GARDIE SHOPPING CENTRE,
- 12: ヴィル門
- おまけ:Banned Books Museum
- 最後に
はじめに
この記事ではエストニア の首都、タリンにある有名な建築を紹介する記事になっています。
古典的な名建築から現代建築まで様々な建築を地区別に分けて紹介していきますので、建築や都市計画に興味があるよって人はオススメできる記事になっていると思いますので、よければご覧ください。
では早速ですが、タリンの建築の世界に入っていきましょう!
目次は以下のようになります。
タリンという都市の特徴
タリンの最もユニークな特徴のひとつは、異なる時代の建物や環境が密に、そしてコンパクトに混在していることです。
豊かな時代と貧しい時代、ローカルで論理的な発展計画と輸入された、あるいは強制された発展計画が交互に繰り返されてきた複雑性が皮肉かこの街を面白くさせています。エストニアでは20世紀だけでも8回の政権交代があり、それぞれの時代に痕跡が都市に大きく残ります。
また、タリンという都市は、一つの中心(旧市街)から外に向かって明らかに同心円状に発展していることも、わかりやすい特徴です。タリンは比較的小さな都市であるため、一度の散策で、このようないくつもの潮流や発展を垣間見ることができ、そのコントラストを容易に把握することができます。
今回の記事は全3回の第1回目。タリンの中心(旧市街周辺)にある建築を中心に見ていきます。
1: エストニア海洋博物館 太っちょマルガリータ
タリンに船でやってきた人が旧市街に向かうと、真っ先に見えてくるのが、このエストニア 海洋博物館、通称太っちょマルガリータです。その通称通り、太くて短い円柱形の建物で、可愛らしく海から旧市街に訪れる人を迎えてくれます。
しかし、中は可愛らしい雰囲気とは違った雰囲気を見せてくれます。円柱形の建物の奥は新しい建物と増設されており、中世的なレンガ作りの建物と新しい博物館のモダンなデザインが融合した面白い建物です。
2: St Olaf’s church
高さ123.7mのタリン随一の高さを誇る教会です。16世紀には157mほど高さがあったとされ、当時としては世界最高峰の高さを誇る建造物でした。
階段を使えば、上にも登ることができ、そこからの旧市街の眺めから当時の栄えていたタリンの様子が想像できます。250段もある階段なので登るのは少し大変ですが、見る価値ありかなと思います。
最上部の屋根裏も見学可能で、この小屋組も建築好きにはたまらないかもしれません。
3: 職人たちの中庭
「職人たちの中庭」は、中世タリンの中庭を再現した、昔ながらの技術を使用する職人たちの活動拠点です。
日本でいうところの古民家カフェのような感じでしょうか?突如として演奏が始まったり、当時のパブリックスペースの様子を疑似体験できる貴重な場所です。
そして、何よりその中庭に併設されるチョコケーキ屋さんのケーキが美味しい、散策の休憩がてらに行ってみてはいかがでしょうか?
4: St. Peter and St. Paul’s Cathedral
エストニア では16世紀まで当時の宗教革命の影響を大きく受けたスウェーデンの統治下にあった為、カトリックは禁止されていました。
しかし、そこにロシア帝国がエストニアを支配し、宗教の自由を認めた為、カトリックの力が大きくなり、その流れで1841年にこの教会は建てられました。
建築家は、サンクトペテルブルクの有名な建築家カルロ・ロッシ(Carlo Rossi)です。彼は、ネオ・ゴシック様式のバシリカを設計し、外観はネオ・クラッシック様式としこの教会を設計しました。
1920年から1924年にかけて、建築家エーリッヒ・ヤコビーとフランツ・デ・フリース(Erich Jacoby and Franz de Vries)が、ロッシの設計したファサードからやや離れた形で、西側のメインファザードを現在の姿に改修しました。内部はロッシの設計を踏襲していますが、木製のネオ・ゴシック様式の装飾はその時に取り払われました。
大聖堂は何度も改修が行われ、最近では2002年から2003年にかけて改修が行われたそうです。
5: ラエコヤ広場
エストニア・タリンのタリン旧市街の中心部にあるタリン市庁舎の横にある広場です。
タリン旧市街の日(エストニア語でTallinna Vanalinna Päevad)などの小さなフェスティバルやコンサートが数多く開催され、近くにはいくつかのバーやレストランがあります。因みに私はこの広場周辺のお店で毎昼ごはんを食べてました。
広場では定期的にマーケットが開かれ、エストニアの伝統的な品物や土産物(エストニア語:Suveniirid)を売る露店がたくさん出ています。旧市街のメインスポットの最も盛えている場所の1つです。
6: APARTMENT BUILDING WITH SHOPS
この旧市街の端に位置するこのアパートと店舗を併合したこの建物はその立地故に興味深い建築計画になっています。建物の西側(旧市街側)は歴史的なファサードを尊重したデザインとなり、南側や北側の新市街側は中庭と道路に向かって大きく開いた、大胆な角ばったフォルムになっています。
現代的な外観と中世的な外観を1つの建物で表現した面白い建築です。
7: VABADUSE [FREEDOM] SQUARE, ALVER TRUMMAL ARHITEKTID
1998 – 2009
[FREEDOM] SQUARE、自由広場と呼ばれるこの広場は、様々な近代の歴史や建築を見ることができる広場です。
1920年代には現在の広場の形ができ始め、1923年までは「ピョートル広場」と呼ばれ、中央にはピョートル大帝の記念碑がありました。広場の北側と南側を構成する建物のほとんどは、1930年代に建設されます。その様式は機能主義のものから表現主義のものまで様々で1つ1つ違いを見ると楽しいかもしれません。
1990年代になってようやく、民衆にもより開かれた空間となり、広場の形態はポストモダン的なもので面白く広場になっていいます
8: アレクサンドル・ネフスキー大聖堂
アレクサンドル・ネフスキー大聖堂はエストニアがロシア帝国の一部であった1894年から1900年にかけて、ミハイル・プレオブラジェンスキー(Mikhail Preobrazhensky)の設計により、典型的なロシア復興様式で建てられた大聖堂です。
9: The Parliament Of Estonia
エストニアの議会は非常にユニークな形をしています。西側は崖地になっており。9世紀に建設されたトームペア城というお城を議会として使用しています。
反対側はピンク色のメルヘンな外観となっており、議会を1周するだけで特徴的な2つのファサードに会える建築です。
10: 聖ニコラス教会
旧市街の中心部にある聖ニコラス教会は漁師や船乗りの守護神である聖ニコラスに捧げられたものです。もともとは13世紀に建てられたものですが、第二次世界大戦中のソ連のタリン空爆で一部が破壊されてしまいました。
その後、建物自体は修復されましたが、修復後は信徒を持たない教会として、第二次世界大戦後は通常の宗教活動には使用されていません。現在は、エストニア美術館の分館として、主に中世以降の教会美術に焦点を当てたニグリッシュ美術館が併設されています。また、コンサートホールとしても利用されているようで、教会の現代的利用の先進的事例と言えるかもしれません。
11: DE LA GARDIE SHOPPING CENTRE,
ALVER TRUMMAL ARHITEKTID, 1994 – 2000
デ・ラ・ガーディ・ショッピングセンターは、タリン旧市街の都市環境に初めて建てられた現代建築です。
第二次世界大戦で破壊された3つの中世の家屋の跡地に建てられ、ファサードの分割は明らかに家屋の跡地の区画を表しています。この建物のボリュームは、近隣の建物のラインや屋根の高さ、道路に沿った高さに合うように設計されています。
旧市街で建物を建てる際に設計者がきを使って点が自然素材の使用だそうです。この建築では、石灰岩、ガラス、木材、銅など、ほとんどすべての素材を非常に明快に使っています。地下には中世の基礎が残っており、石灰岩のファサードには歴史的な痕跡を見ることができるそうです。
12: ヴィル門
最後に最初に海側の旧市街の入り口、太っちょマルガリータを紹介しましたが、その反対側の入り口になるヴィル門を紹介します。ヴィル門はメインストリートであるヴィル通りの入り口にあり、なんなら太っちょマルガリータより正式な旧市街への入り口です。
通りには様々な露店が並び、ラエコヤ広場同様、その賑わいの様子から中世の賑やかや様子に思いを馳せることができます。
おまけ:Banned Books Museum
最後に建築ではありませんが、面白かった博物館を紹介して記事を終わりにします。
Banned Books Museumと言われるこの博物館は名前の通り発行や販売を禁止された本を揃えた美術館で小さい規模ながら、興味深い本が並びます。
本が禁止された世界を描くSF小説、華氏451度を思い出させるような博物館で面白かったです。
読書好きには面白い博物館だと思います。
最後に
以上、タリンの旧市街周辺の建築を解説してきました。あくまで、素人の解説ですので、もし誤った点があれば、ご指摘いただければ幸いです。
なお、今回紹介した建築たちの解説をgoogle mapと一緒にみたいよという方は以下のページに私が作成したgoogle my mapのダウンロード方法が載っていますので、こちらをご覧ください。
Google mapに解説を添付している為、自分の現在地がわかり、紹介した建築の場所もわかり、簡単に行き方が確認できて、フリックすれば、ブログに載せてる解説がこのページに戻らずとも瞬時にみれる。そんな良いツールになっていますので、よろしければ、ご覧ください。
以下ページです。
https://note.com/bunzakki_/n/n58a7f6116ab9
次の記事では、タリンの海辺側にある建築を中心に紹介していきます。
次の記事も頑張って書きますので、見ていただければ幸いです。
そのほかにも、いろいろな国の建築記事書いてますので、よろしければ見てください。
最後までお読みいただきありがとうございました。
ではでは。