ユバスキュラ(Jyväskylä )観光スポットーアアルトの建築群と+α

0、はじめに

この記事ではフィンランドの小都市であるユバスキュラの観光スポット、特にアアルトの建築群について詳細に紹介したいと思います。セイナヨキの略歴とメインの観光スポットであるアアルトの建築群を主に紹介し、更に+アルファでオススメできるところを紹介したいと思います。

ユバスキュラの建築や街並みについてよくしりたいという方にはお勧めできる記事になっていると思いますので、興味ある方はよければご覧ください。

まずはアアルトの建築群からの紹介です。カッコがきは住所になりますので、検索する際の参考にどうぞ

1、Jyväskylä Administrative and Cultural centre 1964-82年

外観

Jyväskylä Administrative and Cultural centre (ユヴァスキュラ行政文化センター) にはユヴァスキュラの警察本部、行政ビル、市立劇場は、アアルトの最初の町の中心部の計画のすべてが実行されたものになっています。最初に完成した建物は警察本部でその後、次々とその他の建築が建設され、市立劇場は、アルヴァ・アアルトの死から8年後の1982年に、建築家エリッサ・アアルトの監修により完成しました。それ以前には、劇場はアアルトが設計した別の建物であるワーカーズ・クラブの中にありました。建物の壁には、アルヴァ・アアルトのサインがあるそうですが、私は見つけられませんでした。是非、見つけた方はこの記事のコメント欄に投稿していただけると嬉しいです。

平面図

2Defence Corps Building (1926-29) (Kilpisenkatu 8)

外観

アアルトは、建築コンペでユヴァスキュラ防衛隊ビルの依頼を勝ち取りました。この建物には元々、マーケットホール、映画館、劇場ステージを備えた大集会場、レストラン、オフィス施設などが入っていました。この建物は、古典主義から機能主義へのアアルトのスタイルの変遷を示しており、古典主義は装飾の細部には古典主義の面影が残り、レイアウト、立面図、フロアプランには機能主義の萌画が現れています。このビルは大きな改修が近年行われ、全面的な改修は2020年に終了しましたそうです。

3、Vapaudenkatu 53, Nikolainkulma.

外観

アルヴァ・アアルトの最初の建築事務所は、この現代的なシティホテルの地下にありました。小さな自宅兼事務所だったそうです。オフィスはとてもシンプルなものだったそうですが、オフィスのすぐ外にあるフェンスには大きな文字でこう書かれていたそうです。 ”THE ALVAR AALTO OFFICE FOR ARCHITECTURE AND MONUMENTAL ARTS”(アルヴァー・アアルト建築・記念碑的芸術事務所)と。

内観

4、Workers´Club 1924-25 (Väinönkatu 7)

外観

ユヴァスキュラの労働者組合の劇場兼集会所は、アアルトにとって最初の主要な公共建築です。通りに面した開放的なトスカーナ風の列柱が、上階の独立した劇場を支えています。下の階のレストランとカフェは全面的に改装され、その他のインテリアは2008年に改装・修復されました。ワーカーズクラブはアアルトの古典期の重要な作品であり、ルネッサンスの影響を受けた1920年代の典型的な古典主義を表しています。

古典的なしつらえ

この建物は、有名なヴェネツィアのドージェの宮殿をアアルトがアレンジしたものと呼ばれています。建物とインテリアのカラースケールは、ポンペイの発掘で発見された色を採用しています。私は見学の際、中に入ることはできませんでしたが、中に入ることができなくても、入り口付近で色を見つけることができます。よく言われることですが、アアルトはイタリアや南部ヨーロッパが大好きで、この地方の建築に大きく影響を受けています。

5、 Aira House 1924-26 (Tapionkatu 2)

外観1

この3階建てのレンガ造りの建物は、鉄道労働者のための住宅として設計されたもので、アアルトが初めて試みた集合住宅でした。また、ユヴァスキュラで最初期に建てられた集合住宅の一つでもあります。その左右対称的な形から、1920年代のアアルトの古典的な時代を象徴していると考えられています。

外観2

アイラハウスには、同じ大きさの18戸のアパートがあります。この建物の内装には、装飾的なダウンポットやアーチ型の入り口など、いくつかの古典的なディテールがあるそうですが、今も住宅として使われていますので、もし中をみたいのあればそれなりの準備が必要そうですね。

この外装を含め、建物には、小さな美しいディテールがたくさんあります。私が特に感激したのは配管にもデザインが施されているということです。通常、配管は実施設計の段階で後から考えられるので、デザインの処理がされているものは少ないのですが、ここら辺もしっかり考えられているのには驚きました。

配管

5、Renovation of Nuora House 1923-24 (Hongikontie 9)

外観1

Nuora Houseはもともと1.5階建てで、下部は丸太壁、上部は板張りでした。アアルトはこの建物を、突き出た階段とバルコニーをもつ2階建ての住宅兼商業施設に改築しました。広い軒と窓枠は、この建物に独特の古典的な外観のイメージを想起させてくれます。

外観2

6、Viitatorni 1957-62 (Viitaniementie 16)

外観1

ヴィータイトルニは13階建てで、約70戸のアパートがあります。この高層の集合住宅は、低層の庭付きの家が立ち並ぶ郊外地区であるヴィータニエミ地区を統一するランドマークとなっています。トゥオミオヤルヴィ湖を見下ろす非対称の高台が、この建物に強烈な垂直な形を印象付けています。この強烈な形、姿から「アールトの牙」とも呼ばれています。高さ39メートルのこのビルは、2002年にイノバ・タワーが完成するまで、ユヴァスキュラで最も高いビルだったそうです。

7、Jyväskylä University Campus 1951-71 (Seminaarinkatu 15)

外観1

1951年、アールトはユヴァスキュラは大学の教育学研究所の拡張のための招待コンペで優勝しました。それ以降、1970年代まで、キャンパスはアールトの提案に沿って徐々に拡張されていきました。

キャンパスマップ
キャンパスマップ2 茶色がアアルト設計

本館は、街の中心部から続くメインストリートの延長線上に位置しています。エントランスホールの窓からは、周囲の風景を眺めることができます。人目を引くがシンプルな立面と周囲の松林は、古典的な雰囲気の集会用の中庭を囲むように配置されています。

集会用の中庭とキャンパス

また、本館は図書館へと続いており、この図書館も代表作の1つです。

図書館内観

図書館棟はL字型で、一部は地下に作られています。図書館のエントランスフロアには、PC用デスク、カタログルーム
ライブラリースタッフのワークスペースがあります。階下には、2階建てのリーディングルームは上の階にあります。そのため、落ち着いて読書ができる空間となっています。
本棚は階段状に上がっている部分にあります。屋根に設けられた窓からは、間接的かつ均一に自然光が入ります。
アアルトが図書館の設計で多く用いたテーマです。

落ち着いたリーディングスペース家具も素敵

キャンパスの中心には、公園と運動場があります。

アアルトはコンペに参加する際、都市を意味するラテン語のペンネーム「Urbs」を使って参加したそうです。アアルトはこの大学を小さな都市の中にある小さな都市のように考えたのかもしれませんね。実際におどずれると贅沢な大学の自然の中に建物が綺麗に、自然に配置されていることがわかると思います。 

本館外観
本館内館
講堂内観

 

運動場とプール施設
スポーツ学部棟外観

Museum of Central Finland 1957-61, extension 1990 (Alvar Aallon katu 7)

外観1

中央フィンランド博物館は、ユヴァスキュラ市の博物館として、また中央フィンランドの地方博物館として機能しています。建物はアアルトの計画に基づいて1961年に完成しました。1988年から90年にかけて、アルヴァ・アアルト建築事務所による改修・増築が行われ、全体の外観や周辺環境との関わり方が大きく変わりました。4階の旧レクチャーホールの波状パネルの天井は、アアルトが設計したロシアのヴィイプリ図書館(1933-35年)のレクチャーホールの天井に似ています。

旧レクチャーホール

受付から、展示ルームまでのアプローチが何とも言えないな建築でした。

受付とアプローチに続く階段

博物館の建物は、2017年から2020年にかけて改装されました。改装後には、2階建ての新しい常設展示「Exploring Central Finland」がオープンしました。

アアルトがこの美術館を世界で2番目に優れた美術館だと言ったという噂が、美術館のオープニングセレモニーで流れました。その時、最高の美術館とは何かと聞かれ、彼はこう答えました。「私はまだそれをデザインしていないのだ!」と言ったそうです。つまり、現時点ではこの美術館がNo.1だということですね。ここからも相当の自信を持っていたことが伺えます。

Alvar Aalto Museum 1971-73 (Alvar Aallon katu 7)

外観1

美術館の建物は、アルヴァ・アアルトの後期の作品のひとつです。1973年に完成したこの美術館は、アアルトがデザインや設計や美術と建築の両方を展示していました。

しかし、残念ながらアルヴァ・アールト美術館は2021年4月25日まで開館しています。2021年4月26日から2023年8月までは、改装工事のため閉館となっています。現在、アアルトの生涯の業績を紹介することに特化した美術館はユヴァスキュラ美術館はカウッパカトゥにありますので、アアルトの生涯が設計手法をよく知りたいという方はそちらに行くといいかもしれません。

以上、ユバスキュラ(Jyväskylä )にあるアアルト建築の紹介でした。

その他参考サイト

また、アアルト建築以外の観光地も知りたいという方はこちらの記事を参考にすると良いかと思います。ご参考までにどうぞ!

1つ目

https://www.travelbook.co.jp/topic/55120

2つ目

https://www.travelbook.co.jp/topic/58940

これらの記事では、全体的なユバスキュラ観光のための情報が網羅されていると思います。

最後に

以上、ユバスキュラのアアルト建築の紹介と観光スポット紹介でした。

セイナヨキのアアルト建築にはこちらで言及していますので、よければご参考にどうぞ。ページはこちら

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衣食住、旅人本に興味がある。アウトプットメインですが読んでいただければありがたいです。

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